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2011年04月04日

沖縄起業家インタビュー第2章 「チーム・プレイズ㈱」 

チーム・プレイズ株式会社


代表取締役 糸数盛夫




沖縄起業家インタビュー第2章 「チーム・プレイズ㈱」  沖縄起業家インタビュー第2章 「チーム・プレイズ㈱」 




~第2章 糸数社長の壮大なビジョンとミッション~

―糸数社長から見て、沖縄の起業家の傾向はどう見ますか。

沖縄県は統計上の数字ではありますが、開業率も廃業率も全国ワースト1です。これは、「技術を身に着けて独立すれば、利益を得ることができる」と本気で信じ込んでしまって(信じ込まされて)、あまりにも簡単に開業してしまうからなんです。

「経営を知らずして経営を始める」ということです。「経営」と「技術」は全く別物です。
どんなに専門的技術を持っていても、「経営ノウハウ」を身に着けていなければ、開業しても利益を得るのは非常に難しいのです。

経営の基本中の基本は、「資金調達・集客・集金」です。この3つがうまく流れてこそ経営が成り立ちます。

どれが欠けても成立しえません。ところが今、巷のビジネススクールでは技術(ネイルやエステなど資格取得)は教えても、このような「経営ノウハウ」はほとんど教えていません。そこに大きな問題があります。

そこで、私はそうした状況を少しでも改善したいと考え、「技術」習得から「経営ノウハウ」、そして開業支援といった一連の流れを事業「学校」という形として展開しています。
これが厚生労働省からの認可を受け職業能力開発基金訓練校として、「パッション・ホープ・カレッジ・スクール」です。


― 「基金訓練校」といえば、今県内ではかなり盛んであると聞きます。やはり競争もあるのでは。

確かに、現在の状況はしだいに厳しくなっていくでしょう。今後は淘汰されていくと思います。重要なのは、送り出した訓練生の就職率や定着率です。私どもは、就職のお手伝いをするだけでなく、開業を目指す者をしっかりサポートし、様々な業者(フランチャイズビジネスの斡旋業者や税理士・弁護士など)と提携していきながら、アフターフォローも万全の態勢をとっています。
こちらのほうは、元々私たちが専門としてきたことですから十分な対応が可能です。このような中で、訓練校も現在は4校ですが、計画では20校ほど開校を予定しております。


― なるほど。糸数社長の「沖縄の失業率・廃業率」を下げたいという思いは確実に実現されつつあるのですね。それ以外に何か、新たに取り組んでみたいものもありますか。

実は、今年NPO法人「HOWLE(ハウル)」という団体を設立したいと考えてます。
これは、「ハンディキャップ・オーバーカム・ワーク・ライフエンジョイ」という英語の頭文字からきています。

「働きながら人生をエンジョイする」といった意味です。この団体は全て「障がい者」の方で運営(経営)していこうという趣旨で立ち上げたいと思ってます。
この場合の「障がい者」は「うつ」などを発症した方も含みます。実際に一番初めにもお話ししたように、私には障がいを抱えた弟がいて、元々障がい者施設を作りたかったし、私自身も「障がい者2級」という「当事者」であるのでその経験が活きます。いわゆる「当事者」の視点ですね。

それから、「リスペクト・プラチナ」という会社も立ち上げたいです。「プラチナ」は「高齢者」の意味で、つまり高齢者の会社です。高齢者は、経験の宝庫です。まさに「リスペクト」すべき存在なのです。そんな方たちだからできること、伝えられる事が必ずあるはずで、それを提供していこうという会社です。
また、いわゆるシングルマザー(母子家庭)の方たちだけの会社というのもあります。

「失敗の中から偶然のひらめきを見いだす能力」という意味の「セレンデイピティ」と名付けています。シングルマザーの方々は大なり小なり「失敗」を抱えながら逞しく生きていると感じますね。そういった力(能力)を活かしたいと考えています。

そして、今もう一つ取り組みたいのが「保護観察処分されている人々を受け入れる会社」ですね。保護観察処分とは、言うまでもなく犯罪を犯してしまった人を監視・監督する制度の事です。今現在私も2人の保護観察をしています(保護士)。その経験から、厚生していこうにも、社会復帰が非常に難しい彼らを、どうにかしていきたいという思いからです。

こういった、私どものやっていることは、ほんの小さな「蜂の一滴」です。本当に地道な取り組みだと思います。
こういった私の取り組んでいる事業は、一般的に「ソーシャルエンタープライズ※」と呼ばれるものです。

※ソーシャルエンタープライズ:基本的に社会的な目的を持ったビジネスで、その利益は、株主や事業主の利益を最大限に増やす必要に駆り立てられることなく、むしろ主に、その社会的な目的のために、そのビジネスあるいはコミュニティに再投資される

今話してきたように、6つの会社(事業)を起こし、現状としては、私がそれらの社長(代表者)ということにはなりますが、いずれはそれぞれに社長を作っていって最終的な責任だけは私が持つというふうにしていこうと考えています。


―糸数社長の考える「人財育成」とは。

私としては、そうした仕事の中で人材を育ていくにしても、「社会貢献している」と大上段に構えるのは嫌いなので、スタッフには「ちょっとだけ、さりげなく、リラックスして」と伝えています。
 私自身も、本当に裏方でいいのです。(今のように)取材が来ても、本当は他にいい方たくさん紹介できますよ。私自身は表に出ないのが一番です(笑)。
まだまだ、これからやりたいことがありますよ。今年北海道のある施設を視察する予定です。これと同じような事業を沖縄で立ち上げたいなと。


―最後に、糸数社長の好きな言葉があればお聞きしたいですね。

「大いなる幼児性」ですね。いつまでも子供の心を、といえばそうなんですが、私はイメージ的にこんなことをいつも考えています。

「アンパンマンとドラえもんとゴルゴ30」です。まず「この人にとってのアンパンマンは誰なんだろう」と考えます。
いつも困った人の視点にたっているアンパンマンです。そしてドラえもんの発想力、締めはゴルゴ30の成功率と現実性です(笑)。頭の中ではいつもこの3人がコラボしてますよ(笑)。


―熱いというより、まさに「大いなる幼児」ですね。ユーモアたっぷりの糸数社長でした。


~第2章 完~

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Posted by CPマエモト(内気なコミュニケーションプランナー) at 16:00│Comments(0)起業家インタビュー
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