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2010年09月13日

沖縄起業家インタビュー!第二章 仲間郁代建築設計事務所

まじゅんの会プロデュース!



沖縄の起業家インタビュー!


仲間郁代建築設計事務所



仲間郁代 建築設計事務所



第二章

~ 男社会、淘汰時代の厳しい建築業界で ~




-建築現場というと、「男の社会」というイメージがあります。その点で、女性であるということの壁のようなものは感じませんでしたか。
 確かに、「メリット」「デメリット」はあると思います。でも、しっかりした「技術」をもっていれば性別・年齢に関係なくやっていける業界ではあります。

男性に比べて確かに腕力はかなわないですが、女性らしい細やかなサポートなどは施主さんに対してアピールできます。女性である事を心配されるお施主さんもいらっしゃいますが、現場の経験をお伝えさせて頂くと、安心してもらえます。

 いくらきれいに図面を書いても、それが現場で反映されてなければ意味がありませんし、また、経験豊富な大工さん達と現場でよりきれいに仕上がるようにアイデアを出し合ったり「みんなで作っていく」というスタンスを大切にしています。

逆に「女性である」ということで、事務所として注目される事が多いのでありがたいです(笑)。この業界で働いている女性はとても多いのですが、女性の事務所はまだマイナーです。
実は事務所の名前を考える時も、あえてフルネームを出して(女性である事が)分かりやすいようにしました。
だから「女性である事は(開業するという点では)メリット」だったのでしょうが、今後は女性の事務所もどんどん増えていくと思うので、それだけを売りにして続けていくことは難しいでしょう。

 私が思うに女性は比較的「瞬発力・集中型」なんですが、男性は「追い込み・持久型」じゃないかと感じます。

部下を指導する中ではその性質を考慮しながら行っています。やはり、どうしても男性社会なので、女性がしっかり長続きできるよう性質の違い、特性を理解するように努めていて、それは自分自身にもあてはめています。
仕事や技術に男女差はなく平等なのですが、基本的に性質の違いはあると思います。


-仲間さんの事務所が「女性の設計事務所」として長く続けていくためにはどうしたらいいのでしょうか。

 私達事務所にしかない独特な提案をすることが大切かと考えています。女性の設計事務所のイメージとして、キッチンや収納といった分野が強いと思われがちなんですが、実は「キッチンアドバイザー」「収納アドバイザー」といった専門の方がまた別にいらっしゃいます。

他社との差別化はどの業界でも悩みの種ではあるでしょうが、女性の設計事務所として他社ないご提案は何かを考えて、元々私自身の趣味が高じたものでありますが、「カラーセラピー」を、そのひとつとして取り入れています。

 子供のころにみた建物に感動しこの仕事に携わるようになったのですが、目に見えているものが見えていないものへと導く、カラーセラピーと建築の多くの共通性も感じています。
人の心を動かす建築は、きっと人の心も癒してくれると思います。

色が心理へと導くように建築も人を文化へと導きます。それを追求し続けることで差異もできあがってくると思っています。


-建築業界は厳しい時期と聞きます。仲間さんの事務所はどうでしょうか。

 不況の影響もあって(受注)件数も減ってきています。その上、数年前の法改正により設計事務所の業務内容が大幅に増えました。今年の初めに設計料基準の改定もあったのですが、なかなか現実にはそれに合わせて設計料を引き上げることは、難しいのも現状です。

現在の建築業界における設計料というのは、常に競争状態にあるので、国の定めている設計料を大きく下回る額で請けている事務所がほとんどです。
そのため、多くの設計事務所は経営が厳しく、必然的にスタッフへの給与も安くおさえられる傾向にあります。

実は事務所開業に関する手続きは簡単だし資金もリスクもそんなにかかりません。それで、収入を増やすために自分で事務所を立ち上げる人は多いのですが、結局は競争で仕事を請けると経営は厳しくなって・・・と本当に悪循環です。

沖縄は、全国的にも設計事務所が非常に多い地域といわれています。
件数も減って設計料の引き上げも難しく、厳しい時期が3年ほど続いておりました。

今年からは価格設定の見直しを行い少し軌道に戻った感じです。若い事務所は実績がなく、お施主さまに対してそれなりのリスクがあるため、設計料が安いのも当然の事ではあるのかもしれませんが、
私たちの事務所ではこれまでの実績をみて頂き、かつ、仕事の質を落とすということはどうしても避けたいので、考えをご理解頂いたうえで、金額の提示をさせて頂いています。でも設計料の設定に関してはまだまだ難しい課題です。設計料を安請け合いすると悪循環に拍車をかけてしまいます。難しい問題なのですが、悪循環を断ち切るためにも設計士の地位の向上、設計料の向上へのご理解が大切なのかもしれません。


-厳しい経営環境ですね。その他に課題と考えていることはありますか。

事務所を開いて8年、方向性として「良い品質のものにしていこう」というのはあるのですが、これまでは私自身が職人気質なものですから、どうしても自分で全部やってしまう傾向がありました。

やっぱりこれからは、それではいけないと思っています。特に私がいなくても、お客様に迷惑をかけないように業務が機能するシステム作りをしないといけないと、今は強く感じています。

そのために、これまではアシスタント的なスタッフ雇用でしたが、直接お施主さまや現場とのやりとり含め任せてゆけるようにならなければなりません。


-それで、今はどのようにスタッフの育成を考えていますか。

 多い時で3名ほどおりましたが、現在在籍スタッフは1名。また様子をみて1~2名の採用を考えています。
現在のスタッフは新卒採用で今年で3年目になります。新卒採用でも優秀な子は3年でも頼りになります。

目標はいいものをつくる事務所であることなので、コンスタンスに質のよい建物を提供できるベストな人材採用やスタッフ数、事務所のシステムを試行錯誤中ですが、その中で育成もこれからの課題です。



第三章へ続く


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Posted by CPマエモト(内気なコミュニケーションプランナー) at 13:00│Comments(0)起業家インタビュー
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