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2011年01月28日

沖縄起業家インタビュー第2章 クララ薬局 

まじゅんの会プロデュース!




有限会社 クララリエゾン 「クララ薬局」



代表取締役 宮城 敦子





宮城敦子1 宮城敦子2





第2章 ~クララの今、そして未来へ~





―クララ薬局の「理念」をお聞かせ願えますか。

 理念という程ではないかもしれませんが、コンセプトとしては「病気になる前に訪れる薬局作り」というものを掲げています。病院から来る患者さんがほとんどではあるのですが、「ちょっと具合が悪いけど・・・」と気軽に相談に来れるような薬局にしたいな、という思いです。「病気になる前に」というのは「五感を癒す」ことも非常に大切です。「五感を癒す」ことは人間の免疫細胞を活性化させますので、病気の予防につながります。それでアロマテラピーなども取り入れようとしているのです。最近は薬剤師会でも、cure(治療)は病院が担うところであり、私たち薬剤師はcare(お世話)が果たすべき役割ではないかと言われています。


―スタッフの皆さんの雰囲気などはいかがですか。

薬剤師、医療事務、私を含めて14名です。立ち上げ当初から勤めてくれている方もけっこういて、本当にありがたいです。沖縄県内には薬剤師の数が少ないので、本土にも採用を出さざるをえません。たまたまですが、うちには北海道出身の方が2人います。
 また薬剤師は女性が圧倒的に多いのですが、うちは7名の薬剤師の中で3名男性がいます。男性がいるとやっぱり雰囲気が変わります。女性だけの職場ってどの業界でもそうだと思いますが、人間関係とか難しかったりしますし(笑)。うちも例外じゃなくて、男性が入ると、職場が落ち着いた感じがします。やっぱりバランスって大事ですね。


―人材育成などはどうされていますか。

 実は特に「人材育成マニュアル」のようなものがあるわけでもないので、悩みの種の一つです。これまでは、私が「反面教師」となって育ってきてくれたのかなとも思います。「社長が何もできないから、自分たちでなんとかしなきゃ」という感じで(笑)。実際、私も「丸投げ」というくらいどんどん任せてきました。もちろん、きちんと連絡、報告だけはさせるようにしてあります。
 薬剤師会の主催する(人財育成)研修もありますので、機会があれば薬剤師のメンバーはそれに参加させますが、医療事務のメンバーにはそういったものがないですね。でもやはり、私は現場で、様々な患者さんと接する中で鍛えられていくというのが一番近道なのかなとも思います。
 それから私自身が、あまり人に指示するのが苦手なほうなので「任せる」というやりかたが合っているのかもしれません。


―今も現場で薬剤師のお仕事はされていますか。

 いえ、今は各店舗に管理薬剤師を置いていて基本的に任せることができていて、週に2回程度出るくらいですね。もちろん、最初の頃は私も薬剤師の仕事をしながら経営の仕事も、というふうにやっていたのですが、それだと経営どころじゃなくて。それで少しずつ薬剤師を増やして(採用して)いく中で私も時間に余裕ができ始めて、店舗を増やしてみようかなと考えるようになりました。今は店舗に出ていない時間などは在宅サービスを行ったりもしています。具体的には老人ホームなどのお年寄りの方々にお薬をお届けするという仕事です。外回り(営業)のような仕事ですね(笑)。あと、事務(総務・経理)仕事全般の取りまとめも私がやっています。将来的には事務長のようなポストを作って、その方に任せていきたいのですが。
 それから、県薬剤師会の広報を担当させてもらっていますので、県内の薬局を訪問して業界紙の記事をおこしたりコラムを書かせて頂いたりしています。ラジオ番組も持たせてもらっていますが、元々それはこの(広報の)仕事とは別に個人で依頼を受けてやっていたのですが、そのせいでこれ(薬剤師会の広報の仕事)もきたみたいです(笑)。


― クララ薬局の「これから」についてですが。

 うちは調剤薬局ではありますが、大手ドラックストアさんも保険調剤に参入してきているので、これは脅威になります。本土の大手調剤薬局もどんどん沖縄に進出してきています。だから、今のままの保険調剤に特化した経営では10年先はやっていけなくなるだろうと思います。そこで、薬局販路限定の化粧品の販売(肌に問題がある方専用など)をしたり、アロマテラピーを取り入れたり、ハーブ(薬効成分のある植物)を販売したりなどを始めようとしています。


―薬局と化粧品は違うジャンルに感じます。

 実はそうでもなくて、あまり知られていないことですが「化粧品の製造・販売業」の認可には薬剤師の免許なども条件になっているんですよ。製造に関しては「薬品」を使うからでしょう。有名な化粧品メーカー「資生堂」も元々は薬局だったのはご存知でしょうか。それで、私たちも医薬業にとらわれないようにしていきたいと思い「化粧品の製造・販売業」の免許を取って、薬剤師ならではの「化粧品」の販売をしていこうと考えています。

 10数年前では「調剤薬局は儲かる」という言われた時代もありましたが、今は国の方針転換や大手のドラックストアや調剤薬局の動きも活発になってきている中で、ますます厳しくなっていくと思います。


―厳しい環境ですね。化粧品などの販売の他にも新たな展開があるのでしょうか。

 アロマやエステ、スパの業界とコラボしたビジネス展開できないかを検討しているところです。今後も「美容」と「健康」は大きなキーワードになっていくはずですから、「健康」という面から私たち薬剤師が絡んでいくことができるのではと考えています。
 薬剤師ならではの考え方として「エビデンス」というものがあります。科学的・医学的な証拠や根拠という意味です。従来の健康産業の中にはそれが弱い部分もあって、いま一つ信用されないことがあったと思います。コラボ展開しようとしているスパの会社の社長さんなどは、そういった「エビデンス」をしっかり考えておられて琉球大学と共同研究もされています。そういう考え方を持った方となら私たち薬剤師との提携もうまくいくと考えています。
 それに自分たちで新たにスパやエステ事業を立ち上げるより、共同でビジネスを立ち上げるような形のほうがずっとリスクは小さいですから。
 とにかく、経営者としては今の仕事以上に将来の仕事を常に頭に描いてないとダメだと思います。現在手がけていることが、果たして間違いだったか、先見の明があったか、分かるはずはないですが、一歩踏み出さないと何も始まりません。


―そういえば、昔よく見かけたおじさんやおばあさんが一人でやっているような「薬屋さん」はみなくなりましたね。

 それも、調剤薬局の波がきたときにうまく切り替えられずに淘汰されていった例です。今また新たな波が押し寄せようとしています。うまく乗り越えるためにいろんな準備が大切ですね。
 調剤薬局としての生き残りをかけてという意味では、本土では既に動きはあります。例えば、コンビニの中に薬局を作ってしまうとか、ビジネスマンの行き交う駅周辺に24時間オープンの薬局があったりとか。


―何にしても「まず一歩踏み出さねば」ですね。





~第3章へ続く~







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Posted by CPマエモト(内気なコミュニケーションプランナー) at 10:30│Comments(2)起業家インタビュー
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